ここ数年のPCパーツのトレンドやスペックについて疎くなっていたので、多くのマシンを製作されている越濱氏からレギュレーションを提示いただけたのはとてもありがたいことでした。最新のi7やi9で組み上げたマシンの音を聴く機会があっても、自分で選定して組み上げることがほとんどなかったからです。
いざ指定されたパーツを集め、アルミケース、最新のマザーやCPU、メモリなどを目にすると心は躍るもので、どう作ってやろうかとテンションは上がりっぱなしでした。
少し遡って、2021年のコロナ禍に入る前あたり。EMIやEMCなどについての知識を深めるために参考書や文献を読みあさり、それに基づいて計測をしてみたり実験を行ったりしていました。
PCやネットワークを利用したオーディオにおいて、広義の意味でのノイズが密接に関係しあっていることは頭では理解できているという程度でしたが、学習を進めていくことで理論的に全体像を把握することができ、対策や方法について研究をするようになりました。とはいいましても独学に限界はありますから、高度な内容に対しては半解以下な部分があるのは否めませんが。
そのような中で誕生したのがノイズコントロールボックス」です。
これはEMI対策のひとつを応用し発展させ、オーディオ視点によるパーツ選定によって作り上げた独自の装置です。今となっては弊社のケーブルでは定番となり多くの方にご愛用いただいておりますが、開発当初は出来上がりに一喜一憂したものです。これから更に高音質を求めて進化させていこうと思っています。
製作に話を戻して。高い周波数で動作するPCや高速回路にはノイズ対策が欠かせません。
せっかくいただいた良い機会ですから、これまで得た知識ですとかノウハウ、対策をとことん詰め込もうと考えました。
ケーブルの撚りやシールドスリーブ加工、銅メッキパーツの採用などもそうですし、エンクロージャーの底板をスチールにしたのもそうです。底面に放射されるノイズの減衰損失を高めるために採用しました。
スチールはアルミよりも透磁率が高いうえ、低い帯域からノイズを減衰させることができます。放熱の関係で底面だけ製作しましたが、側面のフィン(ヒートシンク)以外全てスチールにしてしまおうかと思うほど高性能な素材です。
アルミが多用されるようになって削り出しボディなんて珍しくない今となっては「鉄=安っぽい」というイメージをお持ちの方も多いと思います。加工作業性や仕上げ、見た目、重量、製造コストをトータルで(メーカー目線で)考えると鉄よりもアルミが優位なのは確かです。
かくいう弊社でもコストの面でアルミ筐体ばかりとなっていますが、これからのモデルでは基本に立ち返ってしっかり考えてゆこうと思っています。そうでした、スイッチングハブの時期モデルにも近いうちに記事にしなければ。
さて、この数日「銅シールドで音は変わるの?」というご質問を多くいただいております。結論から申し上げて音は変わりますし、取りつける場所や面積、質量によって大幅に改善されます。
銅は他の金属と比較してノイズの反射が少なく導電率が高いためシールドに最適な素材です。アルミよりも熱伝導率が高いためヒートシンク(放熱板)として使うこともできます。コンピュータのように高い周波数帯のノイズに対しても非常に有効な素材ですが、面積の広い部分に使うには強度的にいまひとつですし、非常にコストがかかります。昨今の世界情勢によって価格も大幅に高騰していますから、積極的に採用するメーカーは少ないと思います。
画像は今回組み込んだASUSのマザーボード。
主なノイズ源を簡単なイメージにしてみました。
(A)CPU、(B)メモリ、(C)グラフィックカードやノースブリッジ、(D)サウスブリッジ
この他にクロック(水晶振動子)などもなかなかのノイズ源です。実際に稼働しているPCをスペクトラムアナライザーを使いながら三次元的に測定するのですが、マザーボードによっては興味深い結果が得られることがあります。弊社では定性的な測定しか行いませんが対策を考えるには充分すぎる材料になるものです。
※画像のマザーもそうですが、最近のマザーにはノースブリッジはありません
今回の製作では、まずA-B間(特にメモリ周辺、ATX24pinコネクター付近)で放射されるノイズや空間伝導しようとするノイズを受け減衰損失を得ながらフレームグラウンドに流したり、反射損失を得るために?のスロットに銅シールドを配しました。どのマザーボードでも同じ配置ですからこれは非常に有効的な方法かと思われます。
銅製のメモリヒートスプレッダ―+アース線などでも似たような効果を得ることができますが、やはり大型の隔壁ともなると音質の改善効果は桁違いです。位相改善に抜群の効果を得られました。非常に滑らかで心地良い音になり、音の立ち上がりがとても早く下がり方も自然です。
今となってはもう少し大きく作っても良かったかなと思いますし、次回アップデートする際は裏側にパターンも入れようかなどと考えています。
続いてDに差し掛かるように?の部分からPCIスロットを利用してシールドを取り付けています。
これはPCIスロットにセットしたカード(JCAT NETCARD FEMTO)に対するCやDからのノイズの干渉を和らげる目的で配していまして、ここでも銅のシールドで受け流したり反射損を生じさせることで効果を上げています。
カード自体もノイズ源ですから、カードのすぐ隣(もっと下側)にセットするのですが、今回はm.2スロットへのアクセスや制限があるため便宜上の取り付け位置となります。
これも先のシールドと同様の効き方をします。デジタル臭さといえばいいのでしょうか、そういうものが抑えられてアナログライクな色のある心地よい音になります。
可聴帯域にノイズなんて聴こえないし、エラーもなくちゃんと動作しているんだからノイズ対策する意味はないのでは?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかしPCはただの情報機器であり、本格的なオーディオを楽しむものとして作られたものではありませんから、オーディオに適した状態、いわゆるローノイズな状態に引き上げていくことが大切です。そしてどこか一点やればいいという訳ではなく、一つ一つ丁寧に処理することが肝要だと考えます。
「可能な限り回路に飛びつかせない」「ノイズ源同士を干渉させない」「回路内のノイズを減衰させる」といった色々な角度からのアプローチと対策が必要で、その結果として上質な再生環境が実現します。
ひとつ確実に言えることは、このような目に見えないノイズへの対策を行うことでしか得られない音があるということで、それをこれから少しずつ証明していきたいと考えています。また、今後のオーディオ用PC作りのスタンダードにしていきたいと思っています。
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今回は弊社がやってきて効果的だった対策やパーツを惜しみなく投入しました。
ROON Server built by JS PC Audio
パーツのチョイスはハイファイ堂の越濱氏が行い、弊社が組み上げたスペシャルな一台です。スチールや銅を多く使用したことで総重量は12.5kgとなりました。
【基本構成】
【追加パーツ】
SATA-SSDはm.2との比較試聴用に追加しました。
それでは各部をご紹介。
底面です。3.2mmのスチールで製作した底板に電磁波シールド塗装を施しました。
このマシンの大事な基礎となる底板を透磁率の高いスチールとすることで耐ノイズ性能を上げています。
背面はオリジナルのパネルを生かして製作しました。
PCIスロットは右から「JCAT NETCARD FEMTO用クロック入力(SMA / 50ohm)」「SATA-SSD用電源入力」「JCAT NETCARD FEMTO(以降、JCAT NIC)」の順。残りは全て銅メッキをかけたブランクパネルで塞いでいます。
電源(DC12V〜)の入力部は銅板で製作。CPU用の電源を分離できるよう2口のパネルも製作しています。
この2口のパネルを使えばCPU直接入力用、DC-ATX用と分けて入力させることが可能となります。
一番上の銅板で囲われている部分はSSDマウンタ、真ん中に2つ並んで見えるものがメモリスロットに取りつけるシールド、シルバーのフィンの部分はCPUクーラー。ワイヤリングの関係でヒートパイプは7本使用。
先ほど背面パネルのところで触れましたが、SSDは外部給電です。
何年も前から構想はあって、今回ようやく実現できたメモリシールド。
空きスロットに取りつけます。DDR4とDDR5両方に使えるよう設計しました。
メモリと同じ規格で基板をおこして銅板と組み合わせ、アース線を取り付けています。このシールドについては後日詳しく記事にします。
メモリシールドを別角度から。メモリはシングルチャンネルで使用していて、それを二枚のシールドで挟んでいます。
専用に製作した各種ケーブルです。全てシールド処理しています。
銅板シールド(超ロングタイプ)やJCAT NICは側面パネルと固定していて、特にJCAT NICの固定は効果があります。
JCAT NICは外部クロック化を行い、潤工社のジュンフロン線を使用。カードの固定はペリフェラル4Pコネクターを取り外した部分の穴を利用しています。
細かい部分はまだまだありますが、主に以上の内容で製作を行いました。
前回もご紹介したこの専用電源と接続して約2週間のバーンインを行いました。
後日改めて試聴編を記事にしようと考えています。
まずは弊社の検聴で使用している旧世代Xeon(E3)マシンとの聴き比べから。
※今回のコラボレーション企画は越濱氏とのコラボであり、ハイファイ堂は一切関係はありません
【今回の企画に使用した弊社製品】
・マザーボードアンダープレート
https://www.shop-jspcaudio.net/shopdetail/000000000186/
※インシュレーターフットのねじを逃がすための穴開け加工が必要
・オリジナルSATAケーブル SOC1
https://www.shop-jspcaudio.net/shopdetail/000000000151/
・PCファンノイズフィルター FNF20
https://www.shop-jspcaudio.net/shopdetail/000000000262/
※ブラックのケーブルで製作
【今回の企画で使用したパーツのうち製品化したもの】
・PCIブランクパネル(銅メッキ・ロープロファイル)
https://www.shop-jspcaudio.net/shopdetail/000000000267
・銅メッキビス(インチ)
https://www.shop-jspcaudio.net/shopdetail/000000000269/
・銅メッキビス(ミリ)
https://www.shop-jspcaudio.net/shopdetail/000000000268/
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昨年製作を行い、大変ご好評をいただいているDiretta Target DST-00のカスタム『DST-00 マルチパワーインプットモデル』の予約受付を行います。
予約受付:本日より2月29日まで
受付台数:2台
【ご予約】
ご予約は以下の項目をお書き添えいただき、下記に記載するメールアドレス宛にお送りくださいませ。
お名前:
ご住所:
電話番号:
ご希望のケースカラー:
受付メールアドレス custom[a]jspcaudio.net ([a]はアットマーク)
※お客さまのDST-00を弊社へお送りいただく必要があります。数日のお預かりで納品できるよう着日指定などのスケジュール調整にご協力をお願いする可能性があります。
※ご購入になられたDST-00を弊社へお送りいただいても構いません。
※ご予約は早期に終了する可能性があります。
基本代金 220,568円
(オプション 1)
ケースカラーをお選びいただけます。
・シルバー +0円
・ブラック +3,850円
(オプション 2)
超ローノイズレギュレーターモジュールを追加することができます(最大5)。
・追加なし +0円
・クロックのみ(+2) +36,220円
・クロックとI2Sインターフェース(+4) +66,550円
・全て(+5) +83,303円
(オプション 3)
DST-00本体のベースプレートおよびスイッチング電源部のスチール隔壁に電磁波シールド塗装を施します。
・なし +0円
・電磁波シールド塗装 +4,180円
(オプション 4)
背面パネル部から他の機器へローノイズ電源を出力することができます。
・なし +0円
・DC5V +19,250円
・※10MHzクロック出力 +45,100円
(矩形波 出力電圧2.8V インピーダンス50Ω)
※10MHzクロック出力はDACなどの機器にご利用いただけます(別途50ΩのBNCケーブルが必要です)。
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パーツが揃ったら組み付けていきます。
SSDのマウンタは1.6mm厚のスチールで製作したもの。ケーブルの取り回しを良くするために銅メッキをかけた真鍮スペーサーで高さを出しています。
背面のIOポート側。
HDPLEXのロゴのある開口部は銅板でフタをし、外部電源の入力部分のプレートは2mm厚の銅板で製作。画像のプレートは1口のものですが、CPU用の電源を別供給にできるよう2口のプレートも用意しています。
こちらは特別仕様のファンノイズフィルタ(FNF20)です。
PC内部のイメージにあわせてケーブルをブラックで製作してみました。FNF20はファンを接続しなくてもノイズ低減効果がありまして、今回は2個導入します。
ひとつは使用していないM.2スロットのヒートシンクを利用してセットしました。
さて、こちらは今回のプロジェクト用に製作した電源です。
鋼鈑で仕切りを作り3つのブロックに分けています。
左はメインの電源で400Wのスイッチングモジュール。医療用でローノイズかつ電圧調整式をチョイスしました。
中央は特注のRコアトランス、右は5V二系統、JCAT NIC FEMTO用のクロックとなっています。
メインの出力部は大電流に対応したPowerDIN(4P)です。コネクターに抜け防止のロック機構があり、安定して動作させることができます。
DC5V×2の出力とクロック出力部。
DC5Vは超ローノイズレギュレーターモジュールで生成し、SSD、JCAT NIC FEMTOにそれぞれ供給します。
クロックは位相ノイズの低いOCXOを採用。低損失な計測用のテストケーブルを直接接続できるようSMAとしました。
(今回の製作のポイント)
・各部に銅(銅メッキ)を使用することでアルミケースでは抑制できないノイズの反射を抑える
・ファンノイズフィルタはCPUの周辺のコネクタに接続する
・外部クロック化において低損失のテストケーブルで接続できるようSMAコネクタを採用
・PC〜外部電源間は抜け防止機構があり安定した接続ができるPowerDINを使用
次回は全てのパーツを組み付けて完成形のお披露目です。
]]>今回は内部配線類についてご紹介します。
こちらが組み上げるPCの内部で使うもので、すべて現物合わせで製作したものです。
まずは外部のDC電源を入力するケーブルから。
電源の入力コネクターはPowerDIN(4P)です。OFCワイヤー4本を手撚りし、シールドスリーブ+アース仕上げ。二次側はHDPLEX DC-ATX500Wに接続します。
続いてATX24PINケーブル。
最短で無駄なく接続できるよう二つに分け、細かく長さを整えながら製作しました。こちらもシールドスリーブ+アース仕上げ。
こちらは主にCPUへの電力を供給するEPSケーブル。
今回使用するマザーボードは8Pin+4Pinのため3本に分けて製作しました。EPSケーブルについてはまたのちほど。
越濱氏のパーツ選定のレギュレーションには入っていないものですが、折角の機会ですからカスタムしたJCAT NIC FEMTOも組み込んでしまおうということで、以前ご紹介した外部クロック化を行うためのRFケーブルです。
ケーブルはスイッチングハブ(HFSシリーズ)でも使用している潤工社のジュンフロン線。カード側のコネクターはSMB、入力部はSMA。
弊社の検聴用のJCAT FEMTO用に製作してみて非常に良かったのでこのプロジェクトに採用しました。
レギュレーションのストレージはM.2-SSDですが、折角の機会なのでSATA-SSDも搭載することにしました。OS用にするもよし、音源用のストレージにするもよしということで。
「硬い」「使いづらい」と多くの厳しいご意見をいただくSATAケーブル(SOC1)です。実は作っている私ですら作りにくいし使いにくいと思っています。
SSDは背面のPCIスロットから外部給電にします。
PCIブラケットにDCジャックを取り付け、ここもやはりシールドスリーブ仕上げ。
ブラケットを導電性塗料で塗装したことはあるのですが、銅メッキは初めての試みです。バレル処理では平面同士が密着してしまい、ムラができてベストな仕上りとはなりませんでした。とりあえず試作だからと言い訳しつつ、よしとしておきます。
(今回の製作のポイント)
・内部配線は各パーツに合った長さで製作する
・ケーブルにシールドを施してシャーシに落とせるようにする
以上、PCケースの中で使用するケーブル類のご紹介でした。
さて、先ほど申し上げていたEPSケーブルですが、ここのケーブルのクオリティによって音質がかなり変わってきます。
クオリティを上げる方法としては
(1)ツイストをかける
(2)ケーブルの質を上げる
(3)構造や製作方法にこだわる
となるかと思いますが、最も簡単なのは(1)で、自作派の方はねじっておられる方も多いかと思います。20年くらい前でしょうか。自作を始めたころの私もそうでした。
しかし、電源に付属するケーブル(両端にコネクターが付いたまま)をねじった場合、ツイストにした効果はあっても、絶縁体が大きく変形しワイヤー自体の撚りが変わってしまうことがあったり、コンタクトに負担がかかったりとあまりお勧めできません。
従いまして専用工具の使用が前提となりますが、電源に付属のEPSケーブルにツイストをかける場合は、片側のコネクターのハウジングから一旦コンタクトから抜いていただき、自然な撚りを作って組み立てられるのをお勧めします。
工具を使わない場合は、ゆるく1〜2回ねじる程度に抑えるのがベストです。
また、断面がこうなるように意識して撚ってみてください。
コネクターの配列が横一列ですから撚り始めと終わりがズレてしまったり長さが余ったりするかもしれませんが、同じ極性同士が隣り合うよりも効果が高くお勧めです。
さて、今回の記事でご紹介した「銅メッキのPCIブラケット」も大量に作りましたので商品にさせていただきました。
多少の色ムラがありますが品質は問題ありません。
https://www.shop-jspcaudio.net/shopdetail/000000000267
銅メッキ処理のみですから10円玉と同じように素手で触ると黒く酸化しますので予めご了承ください。
]]>先日の記事でPC製作プロジェクトの一部をご紹介いたしましたが、今回からタイトルを「ROONサーバーを作る」として数回にわたりご紹介してまいりたいと思います。
ハイファイ堂の越濱氏とコラボレーションし『良質なROONサーバーを作る』という趣旨のもと、パーツのチョイスを越濱氏、組み上げを弊社が行います。
「普通に組み上げたもの」と「JS PC Audioが作ったもの」を比較検証したり、あれこれ語ったり悩んだり考えこんだりする企画です。
ベースとなるケースはHDPLEX社のH5シャーシです。
出典:https://hdplex.com/hdplex-h5-fanless-computer-case.html
まずはこのケースの底板を製作しなおします。オリジナルは3mmのアルミ製。
エアフローを確保するためにスリットが多く開けられています。
こちらが3.2mm厚のスチールで製作したHDPLEX H5用の底板。スリットは入れていません。
弊社としてはPCのケースは総スチールがベストだと思っていますが、ファンレスケースのフィンを除いてスチールにしてしまうと放熱の効率が下がってしまいます。
スチール党の私としては非常に悩ましいのですが、組み込むCPUの発熱度合いが未確認のため今回は底板のみの製作としました。
プライマーを吹付けたあと底面は電磁波シールド塗装を行い、内側はブラックで塗装しました。
こちらはストレージのマウンタです。左がオリジナル(アルミ)で右は弊社が製作したもの(スチール)です。
SSD1基のみ搭載する前提で製作しており、位置の微調整ができるように設計しました。SSD=弊社のSATAケーブルとなるわけですが、取り回しの悪さで定評あるあのSATAケーブルを使うためにSSDの固定部分を長穴にして調整式にしておくのがベストです。
画像では厚みの違いが伝わりにくいかもしれませんが、オリジナルは1mmのアルミ、右側は1.6mmのスチール。
それぞれを持って比較するとスチールの方が剛性が高く、オリジナルのペラペラ感が解消されます。
マザーボード用アンダープレートを小加工して仮組みした状態です。画像ではマザーボードの固定部のスペーサーは真鍮製のものが写っていますが、実際の組み上げ時は真鍮スペーサーは1本のみ使用して残りは樹脂スペーサーとしました。
Z790を搭載したマザーボードです。メモリはDDR5、M.2スロットが複数あって時代の流れを感じます。
弊社の検聴用マシンのチップセットはIntel100Series(C236)、このZ790はIntel700Seriesですから6世代も進んでいることになります。
このPCの組み上げには真鍮ビスに銅メッキを施してセットしました。
(今回の製作のポイント)
・比重と透磁率が高いスチールをベースにする
・ストレージ用マウンタの剛性を上げる
・マザーボード固定用のスペーサーは1つを除いて全て樹脂製にする
・銅メッキビスを使用
次回は内部配線(ケーブル)をご紹介いたします。
銅メッキビスはバレルで大量に製作したので商品にさせていただきました。
銅メッキビス(ミリ)
M3 ねじ部の長さ5mm
https://www.shop-jspcaudio.net/shopdetail/000000000268/
銅メッキビス(インチ)
#6-32 ネジ部の長さ5.5mm
https://www.shop-jspcaudio.net/shopdetail/000000000269/
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平素は弊社オンラインショップをご利用いただき誠にありがとうございます。
さて、弊社では配送業者を変更させていただくこととなりました。
【2024年2月28日まで】
日本郵便(ゆうパック・ゆうパック代金引換・レターパックプラス)
【2024年3月1日より】
・クレジットカード・銀行振込による決済の場合『佐川急便』
・代金引換をご利用の場合『ゆうパック代金引換』
なお、今回の変更による送料の変更はありません。
皆さまにはご迷惑をお掛けいたしますが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
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本日より7周年限定LANケーブル『NOCX2 Pro 2023 Limited Model』の二次販売を販売いたしました。
二次販売の限定数は100本となります。最高傑作のLANケーブルをこの機会に是非お買い求めくださいませ。
オリジナルLANケーブル NOCX2 Pro 2023 Limited Model商品ページ
https://www.shop-jspcaudio.net/shopdetail/000000000261/
早いものでもう二月。あっという間に1月が終わりました。
今年の前半は限定モデルのNOCX2 Proを販売しつつ、今月中旬〜下旬にかけてDST-00マルチパワーインプットモデルの予約を受け付けてまいります。今回は基幹業務が滞らないよう3件のみ受け付ける予定です。ご希望の方はcustom[a]jspcaudio.netまでご連絡くださいませ。
さて、今年の初めは尋常ではない数のお問い合わせがあったり、JCAT Network Card Femtoの外部クロック化の製作をまとめてやりつつ、他のプロジェクトも同時進行したりと慌ただしくやっておりました。
JCAT NIC Femtoの外部クロックはブラックモデルの受注が多かったです。
ロープロ用のものも製作しました。
外部クロック化はBNCを使っています。BNCを使っているのは絶縁型のパネルマウントジャックを使う必要があるということと、ケーブルの選択肢が広がるということが理由です。
検聴用のシステムでは画像のようにSMA→BNC変換コネクタを使って接続しているのですが、最近になって絶縁型のSMAジャックがあることを知りましたので次のプロジェクトに採用してみようと思います。
Teledyne Stormの計測用ケーブル(18GHz)+BNC変換コネクター。Teledyne Stormは軍事や宇宙航空などで実績のあるアメリカのブランドです。50Ωで接続するのであればこういう計測用のケーブルを使うのがベストだと思っています。
先ほど申し上げた新しいプロジェクトというのは、最新のパーツを使って作るRoonサーバーです。パーツの選定はハイファイ堂の越濱氏が行い弊社が組み立てるというもの。
アルミエンクロージャー(ケース)はHDPLEX社のH5を使用します。
さて、弊社ではお客さまへ感謝の気持ちを込めて三種類の『お年玉クーポン』をご用意いたしました。
この機会に是非ご利用くださいませ。
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【10,000円以上のお買い上げで 500円OFF】
クーポンコード:jspc2024x
※数量制限なし
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【15,000円以上のお買い上げで 1,000円OFF】
クーポンコード:jspc2024y
※先着100名様限り
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【30,000円以上のお買い上げで 3,000円OFF】
クーポンコード:jspc2024z
※先着50名様限り
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○ご利用方法
ご購入手続きにお進みいただくとクーポンコード入力欄がございますので、そちらにご入力くださいませ(ご請求額から自動で差引かれます)。
※ご利用有効期限:2024年1月31日
※お一人さま一回限りのご利用
※他の割引(数量割引、あわせ買い割引など)との併用はできません
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試聴環境で使用しているUSBアイソレーターについて。
弊社の試聴環境では、キーボードとマウスはUSBアイソレーターを使い接続しています。
前回少しだけ触れましたが、USBマウスにはICや水晶振動子などのクロックが使われていることが多く、マウス自身がノイズを発生させるためアイソレーターを使用しています。
これが弊社のUSBアイソレーターです。製作したのは2017年頃。アナログデバイセズ社のリファレンスボードをベースにオリジナルで組み上げたものです。
365日常時通電状態ということで今回はメンテナンスをかねてご紹介します。
背面はホスト(PC)と繋がるType-Bポートがあり、電源入力のジャックを取り付けています。この電源ジャックからAC6Vを入力し、内部でDCを生成する仕組みです(弊社製品のPSU-miniと同じ仕様)。
一番上に見えるのがアナログデバイセズ社のEVAL-CN0158-EB1Zです。フレームグラウンドが切り離せるのが一番の魅力です。
下に少し写っているのが電源(TPS7A4700のベース電源と超ローノイズレギュレーターモジュールの二階建て)です。超ローノイズレギュレーターモジュールは今回のメンテナンス時に追加しました。
マウスとキーボードにそこまでやるかと言われそうですが、これがあると差が感じられます。組み合わせるシステムによって効果は変わりますが、基本的にフロアノイズが減る傾向です。
USBマウスをお使いの方でノイズ対策をお考えの方は最後のひと押しになるのは間違いありませんので是非お試しくださいませ。
ADuM4160、3160などを使ったもので外部給電タイプがお勧めです。フレームグラウンドが繋がったタイプでしたらコネクター部で細工をしたり色々方法はあるかと思います。参考になれば幸いです。
今回のメンテナンスで思ったのですが、弊社製品(スイッチングハブや電源など)のメンテナンスサービスをそろそろご用意する必要があるなと考えています。
基本的に寿命の概念がない受動部品(フィルム、マイカ、積層セラミックなどのコンデンサ)を多用していますが、電源の平滑部や出力部などには電解コンデンサを使用していますので、弊社といたしましては一定期間ごとに交換をお勧めしたいところです。
さて、ここ数日は受注数が非常に多くお問い合わせの対応が遅れていますが必ずお返事いたしますのでもう少々お待ちくださいませ。
]]>オーディオ的にはやはり接続はUSBよりもPS2を選びたいところです。しかしゲーミングマウスはとても感度が良いし扱い易く、サイドにある「進む」「戻る」ボタンが非常に便利で使いたい。となるとUSB接続タイプのものしか選択肢がありません。
USBマウスはノイズ源でしかありませんから弊社ではUSBアイソレーター(アナログデバイセズ社のEVAL-CN0158-EB1Z 自社でケーシングしたもの)を介してPCと接続しています。
本題に戻りまして、今回はマウスの左ボタンのスイッチが劣化によって不具合が出ています。
スイッチを準備してマウスを分解し交換作業を行います。
赤丸部分がスイッチです。
交換後。ほとんどのマウスは3ピンのスイッチですが新しいスイッチは2ピン。カチッとクリック音がしない静音タイプです。
ついでにサイドのボタンも取り替えました。
さて、基板にICや水晶振動子が見えますが、これがアイソレートをお勧めする原因です。高性能なマウスにはほとんどこういうタイミングデバイスやICが入っています。マウス自身がノイズ源と申し上げたのはこういうことです。
ADuM4160、3160あたりを使ったアイソレーターはお安く手に入りますが、できればEVAL-CN0158-EB1Zのようにフレームグラウンドを絶縁できる基板のものがお勧めです。
弊社が使っているEVAL-CN0158-EB1Zについては後日改めてご紹介します。
]]>
オリジナルLANケーブル(NOCX2 Pro)
ご注文より3〜5営業日程度で出荷
オリジナルLANケーブル(NOCX2 Pro 2023 Limited Model)
ご注文より7〜14営業日程度で出荷
PCオーディオ用HDMIアダプター RC-HDMI
ご注文より3〜4営業日程度で出荷
オリジナルDCケーブル(DCC1-LE)
ご注文より3〜4営業日程度で出荷
PD対応トリガーケーブル
ご注文より4〜5営業日程度で出荷
特注製品
ご注文より10〜14営業日で出荷
上記以外の製品
ご注文より2〜3営業日で出荷
在庫のご確認はお電話でも受け付けております。お気軽にお問い合わせくださいませ。
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ケースカラーがシルバーの場合、#2のプラスドライバーで天板を取り外してください。
ブラックの場合、#1と#2のプラスドライバーが必要です(中央の4つが#2、残りの6つは#1)。
ネジは中央の4つが平頭となりますのでご注意ください。
画像のように緑のLEDがありますが、パネルの穴に入っているだけですので引っ張って抜いてください。
このように引き抜くことができます。
引き抜いたらスイッチにアクセスできます。
スイッチの設定が終わったら元に戻していただき、天板を取り付けてください。
]]>
大変お待たせいたしました。
ターゲット側がType-Cの機器に対して外部給電が可能なケーブルの試作品ができあがりました。
今回は「Type-Cコネクタ」+「ノイズコントロールボックス」に対応するために専用のオリジナル基板を設計製作しました。
従来モデルと同じくこちらからDC5V(2.1mm/5.5mmコネクタ)を入力させます。使い勝手は全く同じです。
Type-Cコネクタのサイズに対して少し大きいですが、使い勝手は悪くありません。
さて今回の試作品はノイズコントロールボックスに改良を加え、旧バージョンを凌ぐ音質を得られています。
これから現在のUSBケーブルのラインナップを見直し、新しいバージョンの販売を検討してゆく予定です。どうぞお楽しみに。
最近は特注などの対応が多く通常製品の見直しに時間がかかっていました。申し訳ありません。
USBケーブルの新バージョン販売にともなうアップグレードなど、現在お使いのケーブルを今後もご愛用いただけるようプランを考えてまいりますのでどうか今しばらくお待ちくださいませ。
今の弊社はといいますと、Diretta Taget DST-00のカスタム作業に追われています。アルミケースの納品の都合で少しスケジュールが押してしまっていますが、これからチェックと納品に入っていけそうな状況です。
カスタムに関してはいくつもこだわりがあるのですが、例えばコネクター。弊社の製品の内部配線ではほとんどコネクター類は使っていないのですが、今回はスイッチング電源ユニットがあるため一つずつ作業しています。
コネクターは専用工具でカシメたあと、すべてはんだを流しています(上がはんだを流したもの、下はカシメただけのもの)。
ケーブルは内部配線でよく使用しているモガミ電線のフックアップワイヤーです。
ケーブルにツイストをかけてコネクターを組み立てていきます。
シールドスリーブをかぶせてGNDの処理をして完成。これはDC側ですが、AC側も同様の処理を行っています。
作業待ちのブラックのフェイスパネルです。ブラックモデルも素敵だなと思います。
と、弊社ではこのように作業を行っています。早くお届けできるよう努めておりますので、もう少しだけお待ち下さいませ。
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今回は10Gtekの基板をベースに製作したメディアコンバーターです。
弊社では定番となったLT3045を使った超ローノイズ電源を使用して組み上げたものです。
ベースとなるメディアコンバーターは10Gtekのもの。前回試作したものと同じ構成(メイン電源+クロックモジュール)で動作させています。
メイン電源、クロックモジュールともにTPS7A4700+LT3045(×4)。クロックモジュールにはOCXOを搭載しています。
筐体のサイズは幅280mm 奥行230mm 高さ70mm。ポート部などの穴あけは全て手作業による加工です。
お客さまのご要望にあわせてアルミケースをチョイス。弊社のスイッチングハブよりも一回り大きく、より剛性の高いものとなります。内部はパーツを詰め込み過ぎず余裕があってとてもいいと思います。
ご依頼いただいたお客さまは近所にお住まいということで、他の商品の納品もかねてお邪魔してまいりました。
お客さまのPCには二系統のSFPポート(PCIカード)があり、メディアコンバーターを経由してDiretta target DST-00に接続されており、もう片方のポートは光ファイバーケーブルでルーター側に接続されています。
試聴結果
まずはノーマル品を試聴して音の傾向を確認。
次に予め数日通電していたスタンバイ状態の特注品にLANケーブルと光ファイバーケーブルを接続(OCXOはTCXOなどの一般的なオシレーターと違い安定するまでに一定の時間が必要)。
さて、再生を押した瞬間の暗騒音の違いからノイズフロアが下がっていることは明らかなのですが、音の荒々しい部分やカドが取れて聴きやすい音質になっています。低域の輪郭もより明確に聴きとりやすくなっておりノーマルのメディアコンバーターとの差は歴然でした。
電源のノイズに加えてクロックもノイズ源ですから、ローノイズ化することで初めてアイソレート効果が活きてくると思います。
続いてご注文いただいていたNOCX2 Pro(LTDモデル)を納品。メディアコンバーターとDST-00の間に接続しました。
バーンインしていない新品の状態ですからあまり期待していませんでしたが、サウンドステージが拡大し、埋もれていた音が次々と現れます。ほどよく柔らかさが加わり瑞々しいボーカルを楽しめるようになりました。
最後にFNF20(ファンノイズフィルタ)のデモをさせていただきました。
ケースカバーを開けるとすぐに取り付けられる位置にあり5分ほどの作業なのですが、今回はこれが最も改善度合いが大きく、エネルギーの乗り方、音の分離、レンジの広がりなど効果覿面でした。お客さまにも「これはいいですね。やはり上流は効きますね。」と高評価をいただきお買い上げいただきました。
今回お邪魔したお客さま宅は何度か伺ったことがあるのですが、今までで一番いい鳴りっぷりでお客さまにもご満足いただき、嬉しい一日でした。
さて、今さらですがファンフィルタについて記事にしていないことに気づいてしまいました。
ファンフィルタには大きく二つの役割があります。一つは「ファンが発するノイズを吸収する」こと、もう一つは「ファンに供給する電源ライン(12V)のノイズを減衰させ、バランスを整える」ことです。
旧型は村田製作所のEMIフィルタをベースに製作していましたが、今回は独自のパーツ構成によるフィルタ回路としています。
PCに供給する電源の質によって効果は変わってまいりますが、オーディオの回路などに使用する良質なパーツで構成しておりますので一定の効果は得られるかと思います。まずは一本お試しいただきたい商品です。
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