USBアイソレーターについて
試聴環境で使用しているUSBアイソレーターについて。
弊社の試聴環境では、キーボードとマウスはUSBアイソレーターを使い接続しています。
前回少しだけ触れましたが、USBマウスにはICや水晶振動子などのクロックが使われていることが多く、マウス自身がノイズを発生させるためアイソレーターを使用しています。
これが弊社のUSBアイソレーターです。製作したのは2017年頃。アナログデバイセズ社のリファレンスボードをベースにオリジナルで組み上げたものです。
365日常時通電状態ということで今回はメンテナンスをかねてご紹介します。
背面はホスト(PC)と繋がるType-Bポートがあり、電源入力のジャックを取り付けています。この電源ジャックからAC6Vを入力し、内部でDCを生成する仕組みです(弊社製品のPSU-miniと同じ仕様)。
一番上に見えるのがアナログデバイセズ社のEVAL-CN0158-EB1Zです。フレームグラウンドが切り離せるのが一番の魅力です。
下に少し写っているのが電源(TPS7A4700のベース電源と超ローノイズレギュレーターモジュールの二階建て)です。超ローノイズレギュレーターモジュールは今回のメンテナンス時に追加しました。
マウスとキーボードにそこまでやるかと言われそうですが、これがあると差が感じられます。組み合わせるシステムによって効果は変わりますが、基本的にフロアノイズが減る傾向です。
USBマウスをお使いの方でノイズ対策をお考えの方は最後のひと押しになるのは間違いありませんので是非お試しくださいませ。
ADuM4160、3160などを使ったもので外部給電タイプがお勧めです。フレームグラウンドが繋がったタイプでしたらコネクター部で細工をしたり色々方法はあるかと思います。参考になれば幸いです。
今回のメンテナンスで思ったのですが、弊社製品(スイッチングハブや電源など)のメンテナンスサービスをそろそろご用意する必要があるなと考えています。
基本的に寿命の概念がない受動部品(フィルム、マイカ、積層セラミックなどのコンデンサ)を多用していますが、電源の平滑部や出力部などには電解コンデンサを使用していますので、弊社といたしましては一定期間ごとに交換をお勧めしたいところです。
さて、ここ数日は受注数が非常に多くお問い合わせの対応が遅れていますが必ずお返事いたしますのでもう少々お待ちくださいませ。
検聴用PCについて
弊社のテスト用のPCについてご興味がおありのお客さまが多いこともあり、数台あるうちの一台を公開させていただくことにしました。
テスト用と言いましてもCPUは何世代も前のものですし、当然にマザーボードも古く最新のものではありません。
(主な仕様)
ケース:ANTEC NSK2450
マザーボード:msi C236M WORKSTATION
CPU:XEON E3 1240 LV5
クーラー:サイズ 羅刹リビジョンB
メモリ:シリコンパワー SP004GBLFU213N02
ストレージ1:Intel X25E SSDSA2SH064G101 64GB
ストレージ2:3.5" HDD (SMART DRIVE Silent & Cool)
グラフィックカード:msi GeForce GT710 1GD3H LP
USBカード:JCAT USB Card FEMTO
イーサネットカード:JCAT NET Card FEMTO
ATX電源:pico PSU 160-XT
SSD電源:オリジナル5V
ケースファン:KAZE-JYUNI 500rpm SY1225SL12SL
光学ドライブ:なし
その他:銅板シールド ,電磁波シールド塗装 ,USBピンヘッダコンディショナー など
今となっては完全に過去のものとなってしまったHTPC。当時はPCを使ってシアター用のマシンを作るのが一部のマニアの間でブームになった時期がありました。私もその一人で、あの手この手でマシンを良くしようと奮闘していた思い出があります。
そして現在もHTPC全盛期に販売されたNSK2450というケースを使っています。2007年7月にツクモとANTECのコラボレーションで販売されたモデルですから、購入してかれこれ14年経つことになります。
拡張スロット×4、横置きでスペースに余裕があってスチール製、とオーディオ用のPCケースの要件は満たしています。ATXのマザーボードに対応していれば完璧ですが、試聴・検聴が主な目的ですからこれで充分です。
それではフロントパネル部分から。
カスタムしたのはインシュレーターフット、USBポートです。
デフォルトはフロントが樹脂製、リアはシリコン製の足が付いています。これをアルミ削り出しのインシュレーターフット(55mm)へ交換し、ゴム製のOリングは取り外してシートを貼り付けています。
USBポートは産業用の篏合に優れたタイプと交換しています。フロントパネルのポートはUSBターミネーターの試作や試聴などで使用する程度ですが、元のジャックが緩くなっていたため交換しました。
内部画像です。
このPCケースは大きく分けて、「5インチベイと電源部」「ストレージ部」「マザーボード部」の三つのブロックに分かれていて、「マザーボード部」「ストレージ部」「天板内側」には電磁波シールド塗装を施していています。この塗料は塗膜を厚くすることで吸収する放射ノイズの帯域が広がるため、マザーボードの真下にあたる部分は念入りに厚塗りしています。
右側の「ストレージと電源部」。ATX電源は撤去し、外部から電源を入力できるようアルミ製のパネルをセットし、メイン用のDC12V、SSD用に外部からDC5Vを入力できるようにしています。
白いケーブルはCPU用電源で、シルバーコートのケーブルで製作しました。
右奥はSMART DRIVE Silent & CoolというアルミのケースにHDDを収め、5インチベイにセット。動作していても駆動音はPCに近づかないと分からないレベルです。試聴以外の事務作業も行うため搭載しているもので、スイッチでOFFにすることができます。
PCIスロット部は左から、グラフィックカード、銅板シールド、USBカード、イーサネットカードの順に並んでいます。
銅板シールドはこのPCに合せて製作したもので、厚さ2mmのタフピッチ銅板をマザーボードのパーツを避けるようにカットしています。
このシールドひとつでCPUやグラフィックカード、サウスブリッジ周辺の輻射ノイズからUSBカードなどをガードし、放射ノイズを効果的に吸収します。音質改善効果は覿面で、全域に亘って情報量が飛躍的に向上します。
画像左手に少しだけ見える黒いものがケースファン(KAZE-JYUNI 500rpm SY1225SL12SL)です。
500rpmの超低速タイプのファンで風量は控えめなものです。ファンの電源はマザーボードからではなくペリフェラルコネクタから取っていて、ファンノイズフィルタ FNF10の回路をケーブルに直接取り付けています。低速ファンですからPCに近づかないと回っているかどうか判断できないレベルの音です。
ケースにはファンを二基取り付けられるよう設計されていますが、一つしか使用しないため片側はスチール製のブランクパネル(長尾製作所 N-120BP)で塞いでいます。
USBカード(JCAT USB Card FEMTO)はOCXOに換装。
イーサネットカード(JCAT NET Card FEMTO)もUSBと同じくOCXO仕様です。
クロックが安定するまで時間がかかってしまいますので、PCの電源はほぼ常時ONの状態です。
OSがインストールされているメインのSSDです。マザーボードがセットされている部分とは隔壁があり、ここもやはり電磁波シールド塗装を行っています。
SSDはSoundgenicカスタムのものと同じ3mm厚のアルミ板にマウントしています。このintelのSSDの筐体はアルミ製でしっかりしていますが、確実にマウントしたいためアルミ板に固定しています。
データ用のケーブルはSOC1、電源用はSPC-X1で採用しているシルバーコート(テフロン被覆)のケーブルで外部電源と接続しています。
メモリスロット周辺です。左に少し写っているのが銅のシールドです。
AXF-74ULTRAとCrucial CT8G4DFS8213をセットしています。
画像(メモリ上部)にかすかに写っていますが、マザーボードの固定はビスではなくインチネジのスペーサーで行っています。
スペーサーは真鍮や黄銅製のため、回路に近い部分を非磁性体化することができます。
5mmのボックスドライバーなどがないと着脱が困難なのが難点です。
非磁性体化の効果は…、随分昔のことで失念してしまいました。機会があれば改めて検証します。
あとは振動しやすい部分にレアルシルト(底板は底面から、天板は内側から)を貼り付けたり、というところでしょうか。
接続はこのようになります。
USBアイソレーターのEVAL-CN0158-EB1ZはAnalog Devices社のADUM4160のリファレンスボードで、2ポートのUSBハブとして使うことができます。これにリニア電源を合せ、キーボードとマウス用のUSBとして使用しています。
以上が弊社のテスト用PCでした。みなさまのカスタムの参考になる事があれば幸いです。
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週末の休みを使い、マシンの掃除を兼ねて記事にしました。
テスト環境は以前「わたしのPCオーディオ」という記事でご紹介した私の自宅で、デスクトップオーディオです。
最近は専ら試聴ルームと化していて、ケーブルやパーツ、その他のモノで散らかり放題でした。この写真の状態になるのに何時間かかったことか。
PCIの銅シールドで思い出しました。もうディスコンとなってしまいましたが、玄人志向からNO-PCI(Express)というPCIカードが販売されていました。これはPCBのベタを利用したシールド、電源部にパスコンというとても画期的な商品で、私も当時はカスタムして愛用していました。
シールドという意味では銅板で仕切った方が圧倒的に効果が高いため処分してしまいましたが、ご要望が多ければNO-PCIよりも更にオーディオ用途を意識した製品を作るのも良さそうだなと思っています。
わたしのPCオーディオ(3)
最後はスピーカーとその周辺です。
スピーカーはDYNAUDIO Contour S1.4LE+FAPS サイドプレススタンドの組み合わせ。
仰角はほんのわずかに付けている程度。スパイク受けは付属品の黒檀、スピーカーケーブルはJF SOUNDSのSIN-KAI MS227Cです。
デスクはVictorのWORKSTUDIO(幅1500mm 奥行600mm)、スピーカー間(左右)は約1100mm、壁から約300mmほど離しています。
デスクと壁の間に中途半端な隙間ができるとブーミングが起きますので、厚いスポンジを挟んでいます。
背面にはヤマハの調音パネルTCHを二枚セットしました。TCHは向かいの壁にも掛けています。
天板(28mm MDF)は振動しますので、無垢のハードメープル(1400×400mm 30mm厚)で補強。
接着材は使わず、コーススレッドを40本ほど使って均等に固定しています。
目立たないところにベーストラップを設置。
定在波対策にとても有効です。
以上でご紹介は終わりです。忙しさを理由に手抜きの多いシステムですが、最後までご覧いただきありがとうございました。
今後、デスクトップオーディオを楽しんでいらっしゃる方にとって有効なノウハウが得られれば積極的に公開してゆきたいと思っています。
わたしのPCオーディオ(2)
昨日PCについて紹介させていただきましたので、今回はメインの機器についてです。
PCからUSBで直接SOULNOTE sd2.0bに入ります。
ケーブルはUOC2を使っています。
厚みのある独特のサウンドがお気に入りです。
奥行が浅くスペースに余裕がありますので、裏側にシステムエンハンサーを大量にセットしています。
Accuphase E-450です。モガミ電線の2534でDACと繋がっています。
昔使ってたプリ+モノパワーほどの制動力や鳴りっぷりはありませんが、小音量時のドライブ力も充分でソースの魅力を引き出してくれます。
空入力端子のL/Rにシステムエンハンサー(SE1-BP)をそれぞれ接続。
最下段にQnap HS-210、アナログ電源などがあります。
わたしのPCオーディオ(1)
毎日暑い日が続きますがいかがお過ごしでしょうか。
こちら福岡ではスコールのような通り雨がよく降ります。
リビングでのオーディオをやめてだいぶ経ちます。
現在は四畳半程度の小さな書斎でミニマルな構成のPCオーディオを楽しんでいます。
需要はないと思いますが少しだけご紹介です。
デスク下のPCはANTEC SOLOという古いケースで作っています。
仕事で使うのでOSはWin7、音楽だけでなく動画も楽しみたいのでミニタワーです。
OS:Windows7 Professional 64bit
CPU:Intel Core i5 3330
メモリ:8G(2G×4)
OS用ストレージ:Intel SSD 256GB
サブストレージ:WD SATA 2TB×2
グラフィック:AMD Radeon HD6450
ディスプレイ:EIZO FlexScan EV2450-BKR
キーボード:FKBN91M/NFB2
マウス:ROCCAT Savu
USBは極力使いたくないのでキーボードはPS2接続です。
吸排気用のファンにはFNF10がついています。再生はfoobar2000+JPLAYをMonkeyMoteでコントロール。
DACへのUSB出力はルネサスμPD720202を搭載した拡張ボード(クロック・コンデンサーなど換装済)を使っています。
オンボードや他の拡張ボードよりも情報量が増え、滑らかな深みのある音になります。
PC関係はこのような状況です。
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